高齢者「寝たきり」原因は、認知症・脳卒中・衰弱・転倒・骨折です。

高齢者がひとたび「寝たきり」になってしまうと、
本人はもちろん、介護する家族も
肉体的、精神的に負担が大きくなってしまいます。

【寝たきりの原因は?】

 〈身体的な要因〉
寝たきり原因のひとつは病気です。

生活習慣病、高血圧、脳血管疾患、がんといった病気にかかってしまうと長期間の入院や治療で、寝たきりになります。

とくに脳梗塞などの脳血管疾患は、身体に麻痺が残ることもあり、思うように動けない状態になり、寝たきりの可能性があります。

その他、関節リウマチや骨折などのケガも、寝たきりの原因です。
痛みやしびれなどから身体を動かすことが億劫になり、寝たきりになりがちです。

 〈精神的な要因〉
高齢になると活動する機会が減り、人と接する機会も減少していきます。

そうなると脳への刺激がなくなり、認知機能が退化しやすくなってしまいます。

心や脳が健康な状態でなければ、病気やケガをしていなくても、身体に不調をきたし、寝たきりの可能性が出てきます。

「病は気から」と言いますが、心と身体は一体でです。

心が元気でなければ必然的に身体機能も弱って、寝たきりになる可能性もあります。

【寝たきりの予防は?】

〈認知症予防〉で、寝たきり予防
認知症の完全な予防は難しいですが、以下の対策でリスクを下げられます。

・1日3食を規則正しく摂る
・脂質、糖類、塩分の摂取量を管理する
・睡眠のリズムを整える
・外出する機会を作るなどして、積極的に体を動かす
・趣味のサークルに参加するなどして、多くの方とコミュニケーションを取る
・ひとりきりで過ごす時間を減らす

〈脳卒中予防〉で、寝たきり予防
脳卒中の予防には以下の対策がおすすめです。

・塩分と脂質の摂取量を減らし、毎日血圧を計測する
・肥満の方、肥満気味の方は減量する
・禁煙、減酒を始める
・こまめにストレスを解消し、適度な運動を習慣化する
・定期的な検査で健康状態をチェックする
・検査で異常が見つかったら、すぐに医療機関を受診する

〈衰弱予防〉で、寝たきり予防
完全な予防は難しいですが、適度な運動や食生活の見直しなどである程度防ぐことはできます。

「できるだけ体を動かす」ことから始めましょう。
ヨガや簡単なストレッチ、体操などもおすすめです。

栄養バランスは重要です。
筋肉の材料になるタンパク質やアミノ酸、骨の生成に必要なカルシウムやビタミンDなどを積極的に摂るようにしてください。

〈転倒・骨折予防〉で、寝たきり予防
高齢者は全身の骨が弱くなっています。
転んだり足を踏み外したりするだけで、骨折する場合があります。

適度な運動で筋力とバランス感覚を養いましょう。

バリアフリー化を進める、照明を明るくする、転倒防止機能がある靴や靴下を使うなどして、「転倒しにくくなる環境」を整えましょう。

座ることを意識〉で、寝たきり予防
1週間寝た状態を続けると、筋力が1~2割低下し、骨量も低下すると言われています。

また関節が固くなる、心肺機能が低下する、噛む力・飲み込む力が低下することも分かっています。

座ることで、覚醒レベルをアップさせ、心肺機能・バランス力のアップ、噛む力・飲み込む力のアップなどが期待できます。

床ずれの予防や便秘の改善などにもなるので、横になるよりも座るようにしましょう。