「皮膚が 赤くなっている」「ヒリヒリする痛み や かゆみ がある」これって【床ずれ!?】
【床ずれ(褥瘡)】
長時間同じ姿勢で寝ている、または座っていることにより、皮膚やその下の組織が圧迫されます。
そして血流が悪くなることで皮膚や組織が傷ついたり壊死したりする状態を指します。
高齢者や体が不自由な方に起こりやすいです。
【高齢者、なぜ床ずれ(褥瘡)になりやすいの?】
《皮膚の変化(老化による影響)》
〈脂肪層の減少〉
皮膚の下の脂肪が減少すると、クッションの役割が弱まり、骨が皮膚を内側から圧迫しやすくなります。
〈皮膚が薄くなる〉
加齢により皮膚が薄くなり、弾力性が低下します。これにより、外部からの圧迫や摩擦に弱くなります。
〈血流が低下する〉
高齢者は血流が減少しているため、圧迫された部分の組織が傷つきやすく、治癒も遅れます。
《活動量の低下》
〈筋力の低下〉
筋力が衰えると、体を支える力が弱まり、適切な姿勢を保てなくなります。
その結果、摩擦や圧迫が増加します。
〈寝たきりや長時間座ったままの状態〉
高齢者は身体を動かす機会が減少するため、同じ体勢で長時間過ごすことが多くなります。
この状態が続くと、体の一部に過剰な圧力がかかり、床ずれ(褥瘡)ができやすくなります。
《栄養状態の悪化》
〈低栄養状態〉
高齢者は食欲不振や消化機能の低下によって栄養不足になりがちです。
特に、タンパク質やビタミン(ビタミンC、亜鉛など)の不足は、皮膚の修復能力や免疫力を低下させます。
《感覚鈍麻(感覚の鈍化)》
高齢者は感覚が鈍くなりがちで、痛みや不快感に気づきにくいため、圧迫された状態を長時間放置してしまうことがあります。
【高齢者の床ずれ(褥瘡)どんな症状?】
〈ステージⅠ: 皮膚の発赤(軽度)〉
【症状】
・圧迫を受けた部分が赤くなり、皮膚の色が変化する。
・押しても赤みが消えない。
・痛みやかゆみ、不快感がある場合がある。
・皮膚の表面に傷や破れはない。
〈ステージⅡ: 浅い傷(部分的な皮膚損傷)〉
【症状】
・表皮または真皮の一部が損傷し、浅い傷や水疱(みずぶくれ)が見られる。
・皮膚が剥がれたり、赤く湿った状態になる。
・痛みを伴うことがある。
〈ステージⅢ: 深い損傷(皮下組織への進行)〉
【症状】
・皮膚が完全に壊死し、皮下組織(脂肪層)まで損傷が進む。
・深い潰瘍が形成される。
・黄色や褐色の壊死組織(壊死性デブリ)が見られる場合がある。
・感染すると、悪臭や膿が出ることがある。
〈ステージⅣ: 深部への損傷(重度)〉
【症状】
・損傷が皮下組織を越えて筋肉や骨、関節にまで及ぶ。
・壊死組織が広がり、黒く硬いかさぶた(エスチャー)が形成されることがある。
・感染症が併発しやすく、悪臭や膿が大量に出る。
・炎症が進むと全身に悪影響を及ぼし、発熱や敗血症に進行する場合がある。
【高齢者の床ずれ(褥瘡)改善方法は?】
高齢者の床ずれ(褥瘡)の原因となる圧迫を取り除くことで、血流を回復させ、傷の治癒を促します。
《圧力の除去(圧迫を軽減)》
〈体位交換〉
2時間おきに寝る体勢や座る姿勢を変える。
仰向け、横向き、座位をバランスよく調整。
〈圧力分散用具の使用〉
エアマットレス、低反発マットレス、ジェルクッションなど、体重を分散させる専用の用具を使用する。
車椅子利用者には座布団型のクッションを活用。
〈ポジショニング〉
クッションやタオルを用いて、直接圧迫がかかる部位(仙骨、かかとなど)を浮かせる工夫をする。
【高齢者の床ずれ(褥瘡)予防するには?】
高齢者の床ずれ(褥瘡)を予防するには、体の圧迫を軽減し、皮膚を健康に保つことが基本です。
《皮膚を清潔に保つ》
〈皮膚を清潔に保つ〉
汗や尿、便などが皮膚に長時間触れないようにする。
尿や便失禁がある場合、適切な吸水パッドや防水シートを使用。
〈保湿を徹底する〉
皮膚が乾燥すると傷つきやすいため、保湿剤を使って肌を柔らかく保つ。
《活動量を増やす》
適度に体を動かすことで血流を改善し、皮膚の健康を保ちます。
〈可能であれば座る・歩く〉
介助が必要でも、可能な範囲で座ったり立ったりする動作を取り入れる。
〈ベッド上での体操〉
軽い足の曲げ伸ばしや手足の動き。
《専門家との連携》
〈定期的なスキンチェック〉
看護師や介護スタッフに皮膚の状態を診てもらう。
〈適切な用具の提案〉
専門家に相談して、状況に合ったマットレスやクッションを選ぶ。
〈早期対応〉
赤みや軽い炎症が見られた場合は、すぐにケアを行い、必要に応じて医師に相談。
介護者や家族だけでなく、医療や介護の専門家と連携することで予防効果が高まります。
床ずれ(褥瘡)は予防が最善策です。
高齢者の床ずれ(褥瘡)は発生だけでなく、治癒にも時間がかります。
早めの予防とケアが非常に重要です!
お元気ですか!?
湘南山手マッサージ治療院 髙瀬です。
横須賀市池田町で医療保険を使用した【訪問マッサージ】を行っています。
「お身体の痛みはないですか?」「お身体、動かしていますか?」「筋力低下していませんか?」
今回のブログは、【床ずれ(褥瘡)】についてでした。